沈みゆく世界で、
君をみつけた。
原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。
幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩 夏生(いるかが なつき)は、都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。
身よりのない彼に遺されたのは、海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。
夏生は“失った未来”を取り戻すため、謎の借金取り・キャサリンと共に、祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。
そこで見つけたのは、棺のような装置で眠る不思議な少女一一アトリ。
彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。
海底からサルベージされたアトリは言う。
「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。
それまで、わたしが夏生さんの足になります!」
海に沈みゆく穏やかな町で、少年とロボットの少女の、忘れられない夏が始まる一一一。
こちら、先日プレイしたATRI-My Dear Moment-のあらすじです。
今回はこの作品の紹介と感想になります。後半はネタバレ有りの個人的な感想です。
パッケージ版の販売はなく、Nintendo Switchやスマートフォン向けアプリを含めて、数種類にて配信されています。
Nintendo Switchでは2200円で購入可能です。
プレイ時間は10~15時間程。
システム
あらすじでも分かる通り、夏生とアトリの物語です。複数人を攻略するタイプの美少女ゲームとは異なります。
選択肢は計3つ。エンドはBAD END・NORMAL END・TRUE ENDの3種類となっています。
物語の仕様上、BAD END→NORMAL ENDとプレイした後にTRUE ENDを見ることを推奨します。
シナリオ
かなり、サクッとプレイすることが可能なロープライスゲームですが、シナリオはしっかり作られており、NORMAL ENDからTRUE ENDの流れは本当に綺麗な物語でした。
むしろ、ロープライスであり10~15時間でプレイできるように作られているからこそ、主人公の感情の変化、登場するキャラクター、会話などに無駄なものが一切なかったと思います。
またこのコンパクトさの中にも、しっかりと伏線は張られていました。
コミカルさ、シリアスさをいい塩梅で堪能することが出来るため、テンポが良いゲームだと思います。
個人的には、想像の範囲内のシナリオ進行と、想像からは離れた方向へと展開したシナリオの両方を味わうことが出来たので、最後までしっかり楽しむことが出来ました。
キャラクター
夏生とアトリはもちろんですが、サブキャラクターも含めて素敵なキャラクターばかりでした。
彼らがいたからこそ、夏生とアトリはかけがえのない45日間を過ごすことが出来たのだと、声を大にして言えます。
夏生とアトリだけでなく、他のサブキャラクター達との関係性もとても良かったです。
アトリと竜二の軽口を言い合える関係性であったり、夏生と竜二の友情もしっかり描かれています。
グラフィック
公式サイトにて公開されているスチルを見ても分かる通りに、かなりスチルもキレイです。
背景も実はとても綺麗でした。
章の合間、場面転換の時に背景を切り取った絵が挟まれるのですが、背景がどれも素敵なので、毎度じっくり見ていました。
近未来の海に沈みゆく世界が舞台なので、水や海はよく出てくるのですが、そこに射す光が世界を綺麗に見せていました。本来であれば荒廃し始めた街並みですが、そこがとても素敵でした。
音楽
OPムービーはこちらになります。
OPもEDもとても素敵な楽曲でした。
夏生がアトリをサルベージした所から物語が始まっていくのですが、サルベージという事で、もちろん潜水するシーンがあります。
しっかりと水の音が入っていて、少し感動しました。ロープライスでも拘って作られているなと感じたところです。
もちろんその他のBGMもとても良かったです。個人的には『希望の光』『親愛なる日々へ』というBGMがお気に入りです。
ちなみにアトリの可愛さを堪能出来るこちらのアニメーションも、40秒ほどなので合わせて見て頂きたいです。ほんと満面の笑みのアトリがすごく可愛い!アニメの出来に期待が膨らみます。
以上が、ネタバレにならない程度の感想を挟みつつの作品紹介になります。
何度も書いたように、夏生とアトリの物語です。ひと夏の2人の成長と恋の物語をぜひ、ネタバレを見ることなく、堪能して頂きたいです。
少しでも気になった方は、ロープライスなので買ってプレイして見てください!
2024年にはアニメ化が決定しています。そちらもぜひよろしくお願いします。